今村 正敏 副院長 産婦人科
奈良県立医科大学卒(1975年)
S56.05 徳洲会野崎病院 外科医員
S58.06 藤本病院(大阪府寝屋川市) 産婦人科医員
S61.10 徳之島徳洲会病院 副院長・院長
H02.10 加藤 金病院 副院長
H03.10 名古屋徳洲会病院 副院長
H08.06 サンタマリア病院(大阪府茨木市) 院長
H14.10 札幌東徳洲会病院 副院長
日本産婦人科学会 救急医学会 外科学会
アメリカ家庭医学協会国際会員
今村:この湘南地区はさほどでもないのですが、ちょっと市街地から離れ僻地に行くと産科医不足でお産ができないという地域がたくさんあります。この状況を少しでも解消すべく私は全国的に産科医不足の地域へサポートに行っています。
北 海道では、産科医の集約化を行い7ヶ所の病院に産科医を7人以上集めて医療を展開するといったことをしています。しかし、北海道は広いですから7ヶ所と いってもその病院の近くに住んでいない人もいっぱいいるわけです。ですから近くの病院でも100km離れている地域もあるのです。また沖永良部という離島 にもサポートにいっているのですが、産科医がいないと出産予定日の1週間とか2週間くらい前に沖縄本島に行って待機しているわけですよ。それでもなかなか 陣痛がこなかったら陣痛促進剤を打って無理に陣気を起こして産んだりするのです。しかし、期が熟してないと陣痛促進剤を打ってもあまりうまくいかないとき もあるから無理がかかって帝王切開になることもあるのです。
―― 全体的な医師減少が問題になっていますが、医師減少の理由というのは?
今村:ひとつは、20年くらい前に医師過剰ということで医学部の定員を減少させたこと。もうひとつは、医療が高度化して専門分野が細分化し医師の需要が高 まったことです。今までは、ひとりの医者が内科でも外科でもある程度治療していたのですが、現在では高度化して細分化され、どの地域にも産婦人科、小児科 など専門医が必要になってきたわけです。医者の絶対数が減っているわけではないのですが、産婦人科を選ぶ先生が少なくなったのです。産科医が少なくなると 他の産科医の負担が増え、労働環境もきつくなる。そのため撤退する人が増えて産科医が不足してきたのです。
今村:産科医療というのは自然の営みを補助するものだからなるべくそういう自然の営みを大切にしようと考えています。そのため我々の病院は自然分娩で医学 的な適用がない限り陣痛促進剤などは使いません。母乳栄養を推進していこうと考えております。お母さんのお乳を飲むのが普通だし、母乳とミルクで比べると 母乳で育った赤ちゃんの方が健康なんです。しかし現在、産婦人科の医療は複雑化し、昔は20~25歳くらいまでで出産する人が多かったのですが、最近は 30~35歳くらいで出産される方が多くなりました。そうすると産科的な合併症や子宮筋腫、妊娠中毒症になる可能性が高くなります。 高度な施設やスタッフがいる病院は安心してかかれると思いますけど、皆がそういう病院にかかれるわけではありません。我々は専門病院などとうまく役割を分 担し合い安心してかかれる医療体制を築くことを目指しています。
今村:子宮内膜症や子宮筋腫は段々増えつつあります。自覚症状がなかなか現れないので定期的に婦人科検診や子宮がん検診を受けて早期発見し治療すれば、な んら問題もありません。また、子宮がんの原因は最近では性交渉によるウイルス感染が大きな要因を果たしているという報告があります。ばい菌がどんどん増殖 していくとおなかが痛んだり不妊症になったりするわけです。 クラミジアの症例で説明すると症状もあまりなく、じわじわと感染していくから年月がかかる内にいろんな臓器に影響をあたえます。最悪の場合、クラミジア菌 が卵管に増殖して卵管を痛めるとそこが通常の機能を働かさなくなるから卵管で妊娠してしまうわけです。それが、子宮外妊娠なのです。しかし、お薬が良く効 くからきちっと治せばそんなに問題ありません。

医療というのは、患者様の要求があって我々が応えて治療していくものです。いつ急に具合が悪くなるかわからないし、そういうことにも応えていかないと考え ています。ただ、みんな医療をする側からの発想じゃなくて患者様、または地元住民の要望に応えられる医療を提供していくことをやっていきたい。そういうこ とを心がけています。











