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医療羅針盤
医療の質を示し、向上させる「クオリティー・インディケーター」
茅ヶ崎徳洲会総合病院
さまざまな角度から病院の詳細なデータを取り、行われている医療の質を可視化するクオリティー・インディケーター。
徳洲会グループの中でもいち早く、2010年度からホームページで公開を始めた茅ヶ崎徳洲会総合病院の亀井徹正院長に話を聞いた。
「クオリティー・インディケーター(以下QI)」を日本語に直訳すると、「質の指標」となる。これを病院に取り入れ、
「1ベッド当たりの医師数・看護師数」や「病床利用率」、「平均在院日数」などの詳細なデータを調査・発表する試みが行われている。
「クリニカル・インディケーター」とも呼ばれている。
第一の目的は、自院で行われている医療を可視化し、そのレベルを示すこと。1990年代に欧米で始まり、現在では日本でも広まってきた。
「どんな項目を調べるかについては、今のところ確定された指標はありません。
国内では聖路加国際病院が2004年から先駆的に取り組み、90項目を発表しています。
当院では、08年に電子カルテへと切り替わったのを機に、聖路加国際病院の指標をもとにデータを取り始めました。
昨年度からは、QIのモデル事業にも参加しています」 そう語るのは、茅ヶ崎徳洲会総合病院(神奈川県)の亀井徹正院長。
「QIは急性期の総合病院を対象としたものですが、そこで行われている医療がエビデンス(科学的根拠)と比較してどうであるかを明確にすることが本来の目的だと理解しています。しかし、私たちが行っている医療にはエビデンスが十分でないものも多数ありますし、同じ『急性期病院』といっても各施設が置かれている状況は異なります。
ですから、QIは他施設との比較をするものではなく、自らが行った医療のプロセスから課題や改善点を見つけ出し、質を高めていくための指標なのだと思っています」
その具体例として、亀井院長は次の2項目をあげた。
これらを可視化することで、職員のモチベーションの高まりや、改善へ向けた動きに大きく拍車がかかったという。
その一つが、「救急受診から入院まで4時間以内の割合」。特に夜間、以前は病棟が入院患者さんを受け入れられず、救急外来で1晩過ごしていただく場合があった。
08年度、4時間以内に入院できた患者さんの割合は63・8%。しかし救急外来のスタッフは、「もっと低いはず」と感じていた。
そこで病棟スタッフとともに改革を進めると、翌09年度には72・4%まで改善された。
もう一つは、「緊急手術までに要した時間」。こちらもデータは予想以上の数値だったが、現場スタッフは満足せずに、手術室待機のあり方などを改善した。
すると、08年度の3・88時間から09年度の3・39時間まで、約30分の短縮ができた。
「QIには、病院で行われているさまざまなことを改善する物差しの役割があります。
同時に、どのようなことを、どの程度行っているかという事実を外部に向けて開示する役割もあります。これらは、社会の大切なインフラとして存在する病院の重要な役割です」ただし、注意すべき点もある。たとえば「死亡退院率」の数値は、重症患者さんを多く引き受ける病院ほど高くなる傾向にある。
医療レベルを正確に読み取るには、複数の項目を組み合わせて見る必要があるのだ。
「QIの最終目的は、質のいい医療を提供すること。それを患者さんに還元するため、当院は今後も努力していきます」











